(Knowledge of the hydrangea)
紫陽花の豆知識
アジサイ葉化病
和名:あじさい(紫陽花)
英語名:hydrangea(ハイドランジア)
ユキノシタ科ハイドランジア属  花期5〜6月  分類:落葉低木  季語:夏草丈・20cm〜1.5m程度
アジサイは日本・東南アジアが原産地で、日本から中国に渡り、そこから1790年にヨーロッパへ渡り、以来、欧米で品質改良を重ね日本に逆輸入されたものを総称して西洋アジサイと呼ばれています。西洋アジサイは低木で、淡緑色の蕾が開くと、紫・桃・青・薄緑色など、こんもり球状に花をつけます。花はすべて装飾花、花弁に見える部分はがく片です。なお、近年では覆輪や八重咲の品種もあります。
アジサイ・・・
アジア、北アメリカに約40種類が分布する低木で、日本には約10数種があります。アジサイの花は両性花(完全花)と装飾花(不完全花、中性花)の2種で構成されています。両性花は生殖能力のあるいわば花の本体で、雄しべと雌しべを持ちますが、開花してもあまり目立ちません。装飾花は大きな花びら(じつは萼)をもっていますが雄しべや雌しべが退化しており、実を結ぶことはありません。アジサイの花を見て多くの人が「外見上の花」と認識している部分はたいがいが装飾花だと思います。 土の酸度がひとつの要因となって(装飾花の)花色が変化し、アルカル性で赤っぽく、酸性で青っぽくなるとされます。その性質を利用して西洋アジサイは酸度調整によって花色を変化させた鉢花が出回ります。しかし、種によって変化には強弱があり、例えばヤマアジサイは酸度によって影響される変化は弱く、一概にすべてのアジサイに当てはまる性質とは言えません。
由来・・・
アジサイの名前は藍色の花が集まるという意味の「あづさあい(集真藍)」が変化したものと言われています。属名のハイドランジアはギリシア語のハイドロ(水)とアンジェイオン(容器)からなり「水の器」「水がめ」と解釈されます。  これはアジサイが根から非常に水をよく吸うから、果実の形が水がめの形に似ているからなど諸説がありはっきりません。  シーボルトはアジサイにハイドランジア・オタクサという学名を付けましたが現在では使われていません(シーボルト以前に違う学名を命名・発表していた人がいたので)。 また、オタクサの名前はシーボルトの愛人「楠本滝〜通称、お滝さん」の名前から付けられたと、植物学者の牧野富太郎は推測しています。
花言葉 
耐える愛、移り気なこころ、辛抱強い愛情、元気な女性、高慢、冷酷、一家団欒、謙虚(ガクアジサイ)
誕生花 
6月2日、7月1日、7月13日(ガクアジサイ)
市の花 
新庄市、渋川市、習志野市、松戸市、下田市、相模原市、福井市、宇土市、大江市、神戸市、長崎市、旭市
ガクアジサイ
ユキノシタ科に属する落葉低木で、高さは2メートル前後、葉は光沢ある広卵形、原質の明緑色、花は6月頃に咲き、枝先の中央に小形の両性花を多数付け、その外周に菱形の装飾花(中性)をつけています。色は淡紅色、淡青紫色、紫色まれに白色があります。
セイヨウアジサイ
日本産のアジサイが18世紀末にヨーロッパへ持ち出されて品質改良されて、日本に逆輸入されたものを総称して言います。現在では数百種にもなります。
アジサイの色
アジサイの花の色というものは、土壌が酸性では青色、アルカリ性では紅色になります。また土壌に含まれる肥料の差異によっても変化し、窒素が少ないと紅色が藤色に、窒素が多くカリが少ないときは紅色が強くなり、カリが多いと青色がつよくなります。ただし、品種によって大小があり、白系の品種は変化しません。
薬用としてのアジサイ
花は解熱、葉は瘧(おこり)に特効と言われていました。4月8日のお釈迦様の誕生のお祝いに振舞われる甘茶はアマチャ(ヤマアジサイの一種)の葉で作られたお茶で昔から健康茶として飲まれていました。このアマチャは葉に甘味があり、糖尿病患者には砂糖代わりの甘味料として用いられています。
   
 ガクアジサイ  日本に分布、漢字で書くと「額紫陽花」で両性花の周りに咲く装飾花を額縁に見立てたのものです。アジサイの仲間の花姿は本種が基本タイプとなります。

 アジサイ  両性花がすべて装飾花に変化したガクアジサイの1タイプと言われており、日本では古くから親しまれています。狭い意味でアジサイというと本種を指し、あまり使いませんがホンアジサイの呼び名もあります。ユニークな品種に装飾花が丸みを帯びるウズアジサイがあります。

 ヤマアジサイ  ガクアジサイを小ぶりにしたような花姿で、どことなく野趣があります非常に多彩な品種があります。代表的な品種にシチダンカがあります。

 アメリカノリノキ  北アメリカに分布、園芸品種の’アナベル’は球状に固まったボリュームのある白花を咲かせます。

 ノリウツギ  低木が多いアジサイの中では高性で、樹高は5m近くに達します。円錐状の花穂からピラミッドアジサイとも呼ばれます。花色は白で、品種のミナヅキは大きな花穂が美しい。樹皮から採れるねばねばが和紙のつなぎ(糊)となったので、この名前があります。

ツルアジサイ
(ゴトウヅル) 
 幹や枝から気根を出して高木や岩崖に付着し、絡みながら這い登り、高さ15〜20mくらいになる。葉には葉柄があり、枝に対生し、形は広卵形で10cmほど、葉の先端は尖り縁は鋸歯になる。花期は6月〜7月で、小さなややクリーム色の両性花が集まる花序のまわりに、白色の、4枚の花弁状の萼片を持つ装飾花が縁どる。

 カシワバアジサイ  北アメリカ原産、葉がカシワに似ているのでこの名前があります。花色は白、円錐状に咲く花が特徴的です。

 タマアジサイ  日本に自生する種で、つぼみがまん丸で玉のように見えるのでこの名前があります。

 西洋アジサイ  日本に自生しているアジサイが中国経由でヨーロッパに渡り、そこで品種改良され、日本に逆輸入されたものの総称です。花色が豊富で主に鉢花で扱われているアジサイの主流です。装飾花だけの品種もあれば、両方の花を咲かせる品種もあります。従来のアジサイと区別するために属名の「ハイドランジア」の名前で呼ばれることも多いです。

 イワガラミ  名前のとおり、幹や枝から気根を出して高木や岩崖に付着し、絡みながら這い登り、高さ10〜15mくらいになる。山地の道路法面を上から這い下がる場合もある。葉には葉柄があり、枝に対生し、形は広卵形で10cmほどで、葉の先端は尖り縁の鋸歯はまばらになる。花期は6月〜7月で、小さなややクリーム色の両性花が集まる花序のまわりに、白色の装飾花が縁どる。装飾花は花弁状の萼片が1枚しかない。

 エゾアジサイ  高さは1mから2mくらいになる。葉に葉柄があり、茎に対生し、葉の形は楕円形、縁は鋸歯状。花期は6月から8月で、青色、青淡色の小さな両性花のまわりに花弁4枚の装飾花をつける。ヤマアジサイより全体が大きい。


ガクアジサイ   ホンアジサイ   ヤマアジサイ   アメリカノリノキ  ノリウツギ   ツルアジサイ  カシワバアジサイ  タマアジサイ
新しく生まれた“アジサイ”です。(新品種) “読売生活情報誌リエール”より
●アジサイの庭での管理方法
1日3〜4時間の日照がベストです。一日中、日が当るところでは、葉焼けなどを起こすので、木陰などの環境で管理して下さい。
●アジサイを桃色や水色に咲かす方法
土のpH(土壌酸度)によって花の色が変化します。桃色にしたい時は、水に消石灰を少々混ぜて下さい。水色にしたい時は、焼きミョウバンを水で1000倍に薄めたものを秋の花芽が分化する時期にいちど与えて下さい。(あげ過ぎは害になるのでダメ!。又、土壌によっても差があります。)
●アジサイ葉化病にご注意を
園芸店などで緑花のアジサイを見かけることがありますが(右上の画像)、これはファイトプラズマという微生物によるアジサイ葉化病です。この葉化病によって庭の全てのアジサイが枯死した例もあります。お気をつけください。
この病気は、アジサイの花を構成するガク・花びら・雄しべ・雌しべなどが緑色に変化してしまうのが特徴で、症状が現われて数年後には株が衰弱して枯れてしまいます。今のところこの病気を治す方法はなく、他への感染を防ぐために速やかに株を除去することが最良とされています。※花が光沢のある濃い緑色に変化している。※特にガク(花びらのように見える部分)は正常な花に比べて明らかに厚みを帯びている。※緑色に病変した花は、大きさや形状が不規則に変化している。このような特徴に当てはまるようでしたら、念のため専門家にご相談されることをお勧めします。
尚、花の終わりかけたガクアジサイのガクは、しばしば薄い緑色を帯びることがありますが、これは正常な色彩変化です。また、純白の花を咲かせるアナベルなどもこれと同様に、花の終わり頃になると淡い緑色を帯びますが病気ではありません。
・・▼注意▼・・
下の写真は、ファイトプラズマに感染し花弁状のガク片が葉化したアジサイの花、花弁や雄ずい、雌ずいも葉化します。
右側の花弁が葉化病です。株ごと除去することをおすすめします。罹病した株は必ず焼却して下さい。 

 

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