蓮の花

季節を1年24に区切る24節季、その1節季を3つ(初・次・末)に分ける72候。
7月7日から7月22日は小暑、その次候(7月12日〜7月16日)は『蓮始開』(はすはじめてひらく)だそうです。

原産地はインド亜大陸とその周辺。地中の地下茎から茎を伸ばし水面に葉を出します。草高は約1m、茎に通気のための穴が通っています。
水面よりも高く出る葉もありますが、スイレンは出ません。葉は円形で葉柄が中央につき、撥水性があって水玉ができ、ロータス効果と言います。花期は7〜8月で白またはピンク色の花を咲かせるます。
早朝に咲き昼には閉じてしまいます。
園芸品種は、小型のチャワンバス(茶碗で育てられるほど小型の意味)のほか、花色の異なるものなど多数あります。
なお、果実の皮はとても厚く、土の中で発芽能力を長い間保持することができる。1951年(昭和26年)3月、千葉市にある東京大学検見川厚生農場の落合遺跡で発掘され、理学博士の大賀一郎が発芽させることに成功したハスの実は、放射性炭素年代測定により今から2000年前の弥生時代後期のものであると推定されました(大賀ハス)。その他にも、埼玉県行田市のゴミ焼却場建設予定地から出土した、およそ1400年から3000年前のものが発芽した例(行田蓮)もあります。
蓮の利用方としては、食用【地下茎はレンコン(蓮根)として食用になる。また、はすの実と呼ばれる果実(種子)にもでん粉が豊富であり、生食など利用されています】、薬用、観賞用としても湿地で栽培されています。

蓮の咲き方
蓮の花は、明け方から咲き始めて7時〜9時に見頃を迎えます。その後次第に蕾初めてお昼頃には閉じるか散ってしまいます。昼間でも咲いているように見える花は3日目のお花で、9時頃から閉じ始めた花が半開きの状態で溜まっています。花は2日目の花が最も美しく、3日目の花は花托の雌蕊が受粉して柱頭が無くなります。開花が2日目か3日目の花か見分けるには、柱頭を見れば分かります。3日目の花は昼頃から閉じ始めますが、半開きのまま4日目を迎えます。尚、紅蓮系統の品種は3日目になると、かなり退色します。

開花1日目・・・午前5時頃外側の花びらが緩みだし、1分間に約2mmの速さでゆっくり口を開け、1〜3pの「とっくり型」になり、色も濃くなり、午前8時頃から閉じ始めます。
開花2日目・・・夜中の午前1時位頃から開き始め、午前7時位から9時頃までに色鮮やかな「おわん型」になります。この頃から閉じ始め、昼頃には完全に閉じます。
開花3日目・・・夜中の午前1時位頃から開き始め、午前6時頃には「おわん型」、午前9時頃には「皿型」になります。花は最大に開くが、色はあせ、花びらも一片、二片と散り始める、午後までに少し閉じるが半開きの状態で終わります。
開花4日目・・・夜中の午前1時位頃から開き始め、午前6時には完全に開き、花びらが散り始め、午後には花托だけが残ります。
 
      
     艶陽天           火花           漁山紅          桜蓮            剣舞蓮        黒谷白蓮         浄台蓮 
      
       行田蓮          青菱紅蓮         太白蓮         日本古代蓮        白君子小蓮       碧台蓮         輪王蓮
                    蓮の品種別画像集はここをクリックしてください
蓮の名所
三渓園の蓮
三渓園は、神奈川県横浜市中区にある総面積175,000平方メートルの国の名勝です。
生糸貿易により財を成した実業家 原 三溪によって、1906年(明治39)5月1日に公開されました。175,000m2に及ぶ園内には京都や鎌倉などから移築された歴史的に価値の高い建造物が巧みに配置されています。(現在、重要文化財10棟・横浜市指定有形文化財3棟)
東京湾を望む横浜の東南部・本牧に広がる広大な土地は、三溪の手により1902年(明治35)頃から造成が始められ、1914年(大正3)に外苑、1922年(大正11)に内苑が完成するに至りました。三溪が存命中は、新進芸術家の育成と支援の場ともなり、前田青邨の「神輿振」、横山大観の「柳蔭」、下村観山の「弱法師」など近代日本画を代表する多くの作品が園内で生まれました。その後、戦災により大きな被害をうけ、1953年(昭和28年)、原家から横浜市に譲渡・寄贈されるのを機に、財団法人三溪園保勝会が設立され、復旧工事を実施し現在に至ります。
尚、ハスは7月中旬〜8月中旬に外苑:蓮池に咲いています。



鶴岡八幡宮/源平池&平家池の蓮 
鶴岡八幡宮は康平6年(1063)源頼義が奥州を平定して鎌倉に帰り、源氏の氏神として出陣に際してご加護を祈願した京都の石清水八幡宮を由比ヶ浜辺にお祀りしたのが始まりです。
その後、源氏再興の旗上げをした源頼朝公は、治承4年(1180)鎌倉に入るや直ちに神意を伺って由比ヶ浜辺の八幡宮を現在の地にお遷しし、 建久2年(1191)には鎌倉幕府の宗社にふさわしく上下両宮の現在の姿に整え、鎌倉の町づくりの中心としました。
三ノ鳥居から鶴岡八幡宮の境内に入ると、本宮に向かって右が源氏池、左側が平家池。
夏が本番を迎えるころ池はハスで覆われ、純白や真紅のハスが妖艶な花を美しく水面を彩るハスの名所です。
尚、東側の源氏池には産を意味する三つの島が、西側の平家池には死を意味する四つの島が配されていると言われています。
 

鎌倉/光明寺・記主庭園蓮池の蓮
大賀博士が発見した大賀ハスが咲く、材木座にある光明寺が名所です。
ハスが咲く頃は、ノウゼンカズラ、フヨウ、サルスベリ、キキョウなどの花も咲いています。
光明寺は、天照山蓮華院光明寺といい、浄土宗の大本山です。創立は鎌倉時代の寛元元年で西暦1243年といわれています。
寺を開かれたのは浄土宗三祖然阿良忠上人です。宗祖は法然上人で、二祖は久留米の善導寺を開かれたお弟子の聖光上人という方です。
良忠上人は石見国(島根県)に生まれ、深い学問を達成された後、三十八歳で聖光上人のお弟子となり、法然上人の教えを受け継がれて浄土宗の三祖になられました。


日比谷花壇大船フラワーセンターの蓮
神奈川県立フラワーセンター大船植物園は、神奈川県鎌倉市岡本にある総面積63,900平方メートルの植物園。
園内では様々な草花、花木が植栽されており、園内の池には一年中美しい花を咲かせる熱帯性の睡蓮や蓮の花、周囲はヘリコニアとクロトンで彩られています。


鵠沼の蓮池/第一蓮池・第二蓮池
藤沢の鵠沼藤が谷4丁目、住宅街にある大きな池と道を挟んだところに桜小路公園という小さな公園があります。デッキもあり気持ちよくお散歩ができそうです。
昔、境川が蛇行して流れていた際、洪水で川の流れが変わり、鵠沼の低地にいくつもの池や沼が残りました。それらの池には冬になると鵠=白鳥が飛来していたことから鵠沼という地名の由来になったとされています。
それらの名残の蓮池は7つあったとされていますが、周辺開発とともに埋め立てられ、現在は第一はす池と第二はす池の2つとなりました。この貴重な場所を残そうと、住民が運動を起こし、その長い期間の努力が実り、現在のような公園になったそうです。
第一蓮池は舞妃蓮、第二蓮池は誠蓮が植栽されています。


花菜ガーデン/ハス田
花菜ガーデンは、約92,000m2(横浜スタジアムの約3.5倍)の敷地に“生きとし生けるものがいのちの交歓を図る「いのちの庭」”をコンセプトに3つのゾーンに分け、花と緑のふれあいを目的とした施設で、2010年3月1日オープンしました。フラワーゾーンは、8つの花木コレクションを中心に、季節とともに移り変わる花や草・木や葉の美しい彩りを楽しむことが出来ます。アグリゾーンは、7つのファームが有、小さくても大きな“農体験の里”として、たくさんの楽しい経験をする事が出来ます。めぐみの研究棟ゾーンは、テーマごとに分けられた3つの建物を中心に、園芸・農業のあるライフスタイルを様々な角度からアプローチします。
2019年3月からハス田を1400uに拡充し、通路を新設して花を間近で見れるようになりました。
品種は、「白雪姫」や大倫の「小掠大黒」など11品種も追加されました。見頃は7月上旬〜8月上旬です。


中井蓮池の里
中井町松本で板金会社を経営している小嶋辰雄さんが銅板屋根の工事の際に見た各地の寺の池に咲くハスの美しさに魅せられて、最初は自宅の庭に鉢を並べて栽培したが失敗。
近所の住民から休耕田に植えるように提案され、休耕田を借りて2000年に数十株を植栽して見事に開花したため徐々に面積と種類を増やして現在に至りました。
年々、口コミで見物人も増えてきたため、2006年に町と相談のうえ「中井蓮池の里」と命名、無料で一般公開を始めました。
現在の蓮の池の規模は、約1500平米に六つの池に約200種類、2000株の白やピンク、赤の大輪の花が咲き誇ります。  P数台分有

番外編
 
町田・薬師池の蓮 
薬師池公園は、池を中心とした公園です。250本の梅、340本の桜、2.200株の花菖蒲とハス田(大賀ハス)が7月下旬〜8月中旬に大賀博士が初堀した2000余年前のハスが咲いています。
薬師池の由来・・薬師池は別名福王寺池とも呼ばれ、天正5年北条氏照の印判状が野津田の武藤半六郎にくだり、水田用水池とし天正18年まで開拓されました。その後、宝永5年にこのため池は泥砂で埋まり、大塚村、小山村、高ケ坂村などから人が出て、3年間を費やし泥砂をさらいました。
しかし文化14年にふたたび泥砂で埋まり、渇水状態となったため、普請願を提出し、日照りにあえぐ七町余歩(約7ヘクタール)の水田の水を得るため、溜池を掘りなおし、今日に至っています。
面積は、7.700平方メートルあります。 町田市薬師池公ホームページを参考にしました。  
P有(町田ボタン園と共通)


上野不忍池の蓮
不忍池(しのばずのいけ)は上野恩賜公園(東京都台東区)の中に位置する天然の池である。
桜の季節にはソメイヨシノをはじめ、様々な品種の桜が花をつけ花見客で賑わう花の名所でもある。
弁天島に建つ石碑によれば、「不忍池」の名は、かつて上野台地と本郷台地の間の地名が忍ヶ丘(しのぶがおか)と呼ばれていたことに由来するとのことである。ただし、異説もあり、周囲に笹が多く茂っていたことから篠輪津(しのわづ)が転じて不忍になったという説(『新編武蔵風土記稿』)や、ここで男女が忍んで逢っていたからという
説(『望海毎談』)もある。15世紀頃には既に「不忍池」という名で呼ばれていた。
池の中央に弁才天を祀る弁天島(中之島)を配し、池は遊歩のための堤で3つの部分に分かれており一面が蓮で覆われる蓮池、ボートを漕いで楽しむことのできるボート池、上野動物園の中に位置しカワウが繁殖している鵜の池の3つである。2013年より蓮見台が野外音楽堂付近にでき、今では間近で蓮の花を観賞できるようになった。


山梨県富士吉田市/明見湖公園
富士吉田市立明見湖公園(あすみこ)は約3.4ha(湖含)湖面面積1万3,640uあります。周囲を懐かしい里山に囲まれた明見湖は、湖面に蓮が植生していることから通称「はす池」とも呼ばれ、清流と沼の多種多様な生き物が同居し、多くの水鳥が羽を休め、春は桜、夏は蓮やあじさい、秋は紅葉が楽しめます。
かつては、富士八湖(富士五湖・四尾連湖・明見湖・駿河の浮島沼、後に泉端に変わる)のひとつとして、富士山信仰の富士山道の垢離場(こりば)<禊の場所>であったと言い伝えられています。



埼玉県行田市/古代蓮の里
古代蓮の里は、ふるさと創生事業 の一環として、行田市の天然記念物に指定されている “古代蓮” をシンボルとする公園を古代蓮の自生する付近に 「古代蓮の里」 として、子どもからお年寄りまで楽しめるよう整備された公園です。
園内には五つの池【古代蓮池東池3.200u 行田蓮・古代蓮池西池1.800u行田蓮・水鳥の池5.600u 行田蓮・水生植物園5.700u行田蓮、甲斐姫、黄花蓮・世界の蓮園1.750u40種類の花蓮】を中心に、あずまや、トイレ、駐車場、古代蓮会館、売店およびうどん店、作業棟、牡丹園、釣掘、冒険遊び場、見晴らしの丘、お花見広場、梅林、ロウバイ、ホタルの川など広い園内(東京ドーム約3個分)でお楽しみ下さい。


 

埼玉県上尾市/原市沼の古代蓮
原市沼は、上尾市と伊奈町の境に位置する広大な沼地で、埼玉県の指定史跡である伊奈氏屋敷跡を望
み野鳥や湿生植物の宝庫となっています。
原市沼の古代蓮は、昭和46年行田市の焼却場建設の際に土中より掘り起こされた蓮の種子が自然発芽
し、みごとな花を咲かせ、その種を譲り受けました。しかし、当初はザリガニなどの害虫被害に試行錯誤を
繰り返しながら、みごとによみがえらせることに成功したそうです。
《総数》 約10,000本 / 広さ2,000u 《品種》 古代蓮(行田蓮)、白蓮、睡蓮、鬼蓮
園内開放期間は、7月〜8月中旬まで、開園時間は早朝から午前中までです。
尚、花がたくさん咲く時間帯は朝6時から9時ぐらいまでです。


              
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