紅花の豆知識

ベニバナ(紅花:Carthamus tinctorius) 
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分類
キキョウ目キク科管状花族アザミ類ベニバナ属ベニバナ

特徴
耐寒性の一年草で,秋に種をまき,夏に花を咲かせ,翌冬に枯れます(山形では早春に種をまきます)
成長すると草丈は0.5~1m,葉は5~10cmほどになり,初夏に半径2.5~4cmのアザミに似た花を咲かせます。
咲き始めは鮮やかな黄色の花ですが,やがて色づき,赤くなります。
種子は花1つにつき10~100個ほど,ヒマワリの種を小さくしたような種子がつきます。葉のふちに鋭いトゲがあり,このため花摘みはトゲが朝露で柔らかくなっている朝方に行われました。


名称
紅花には多数の名前があります。染料としての利用が盛んだったことを反映し,色や染め物に関わる名前が多いようです。
紅花(べにばな)・久礼奈為,呉藍(くれない,くれのあい)・末摘花(すえつむはな,うれつむはな)・safflower(英)


紅花の品種
紅花にはトゲがある「もがみ紅花」とトゲがない紅花「とげなし紅花」があり、トゲがない紅花は染料として好ましくないことから主に切り花用として用いられます。

原産地

ベニバナの原産地ははっきりとは確定されていません。原産地の有力な候補としては,古くから栽培されていたインドやエジプト,アザミ類の野生が多いアフリカ・ナイル川流域(エチオピアなど),およびベニバナ近縁の野生種が多い中近東付近(アフガニスタンなど)があげられています。
そしてシルクロードを西から東に長い年月をかけ、栽培法と染色法を中国に伝えました。


日本への伝来
日本への紅花の伝来は,中国の工人が裁縫や染色の技術とともに紅花の種を持ってきたのが始まりとも,推古天皇の時代(593~629年)に朝鮮半島から日本へやってきた僧・曇徴がもたらしたともいわれています。

特徴

エジプト原産といわれ、古くから世界各地で栽培されている。日本にはシルクロードを経て4 - 5世紀ごろに渡来したといわれています。古くは和名を「くれのあい(呉藍)」といい、中国伝来の染料との意味。「すえつむはな(末摘花)」とも呼ばれています。
高さは1m。花期は6 - 7月で、枝先に頭状花をつける。花は、はじめ鮮やかな黄色で、徐々に赤くなります。

日本での産地
日本では、平安時代に千葉県長南町で盛んに栽培され、江戸時代中期以降は現在の山形県最上地方や埼玉県桶川市、上尾市周辺で盛んに栽培されましたが、、明治時代以降、中国産の紅花が盛んに輸入され次いで化学的に合成可能なアニリン染料が普及したことから、こうした紅花生産は急速に衰退した。現在では紅花染めや観光用などにわずかに栽培されているだけです。
山形県ではベニバナが県花になっており、同県河北町には、「紅花資料館」があります。
また、千葉県長南町も紅花を町花に指定し、月1回の紅花染め教室を開催しています。
  紅花の利用法(紅花の花を摘んでから発酵・乾燥させたもの)
染料 紅の分離
ベニバナの花の色は黄色です。
紅色にするには花を摘んですぐに水にさらして乾燥させ、これを何度も繰り返すと紅色になります。
ベニバナの花の色素は水に溶けやすい黄色の色素サフロールイエロー99%と水に溶けにくい紅色の色素カルタミン1%が混在しており、水にさらすことによって分離します。
日本の伝統的な製法では、石灰水を含む川の水に、紅花をさらして行われています。

紅花染め
紅花染めは、水にさらして乾燥させた花を水に含ませて餅つきと同じ方法で杵でついた後、丸餅の形にして乾燥させた状態の紅餅(べにもち)を灰汁の中に入れてかき混ぜた状態にしたのち、衣類を漬け込み(一次染め)水にさらす(灰汁はアルカリ性の液なので苦く、色もオレンジ色に仕上がる)。次に、紅餅入りの灰汁に烏梅を少量加えたものに漬け込み(二次染め)水にさらす(烏梅はクエン酸の多い酸性の液体なので酸っぱく、色も赤みが加わってくる)。さらに、烏梅を少しずつ加えて配合を変えながら何度も染め上げて水にさらし乾燥させると完成する。このような手間をかけるのは、色が中に染み込みにくい特性を持つからである。
平安王朝人の紅や桜色の衣装を染め、源氏物語での光源氏は葵上(あおいのうえ)を弔う喪服に使用しました。
また、古代エジプトのミイラの布の防腐にも使われました。
そのほかの利用方法 生薬
乾燥させた花は紅花(こうか)と呼ばれ、血行促進作用がある生薬として日本薬局方に収録されています。
この生薬は、養命酒などにも含まれ、紅花から作った生薬をツボなどの部位に塗る紅灸(べにきゅう)という灸の一種もあります。
葛根紅花湯、滋血潤腸湯、通導散などの漢方方剤にも使われています。

紅花油

紅花の種子を搾った油は、コレステロールを取り除くリノール酸を含む、良質の油が採れるので今では紅花油(サフラワー油)と呼ばれ、サラダ油として用いられたり、マーガリンの原料になります。

口紅
紅花から赤色色素を抽出し、陶磁器製の猪口の内側などに刷き乾燥させたもの。良質な紅は赤色の反対色である玉虫色の輝きを放ち、江戸時代には小町紅の名で製造販売されました。

その他

○蔵王べにばな鶏 - 地鶏の一品種。山形県産。餌に紅花ミールと地養素を使用(食肉用語大辞典HPより)
○油のすすは、墨(すみ)として使われています。
紅花のそだて方
紅花の育て方

種まき前
種子をよく水洗いし、風乾した後、ベントレートT水和剤20を種子重量の0.5%粉衣します。
種まき
1平方メートル当たり完熟堆肥4Kg・化学肥料100g・苦土石灰700gをめやすに散布します。3月下旬~4月上旬、排水のよい土地に種を、1穴に3~4粒蒔いて、種がかくれる位土をかけます。
間引き
4月中旬頃から20cm位になるまでの間に2~3回間引きをして、1平方メートル25本位 にします。(間引きしたものは、おひたしなどにして食べられます。)
④追肥
4月下旬から5月下旬に軽く化学肥料を追肥し、土寄せします。
⑤花
7月上旬頃から花が咲きます。花弁が十分に開いたら、切り花にできます。
開花して花弁に朱色がさした頃、花弁を摘み取り。干し紅花にします。
ドライフラワー
生花を風通しの良い日陰に、雨が当たらないようにして約1カ月吊 しておけば、きれいなドライフラワーができます。
※種子
種子をとるには、花の咲いたまま栽培を続け、枯れあがってから脱粒します。

 
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