キク科キク属の植物・・・花期 9~11月 花丈高さ30-100cm 

菊の花は、日本の「国花」です。仏様のお供えに使われることからプレゼントにするのには「縁起が悪い」というのも間違いではありませんが、同時にめでたいときも菊の花だということです。

菊花展や菊まつりなど神社などでも行われており、縁起悪かったら誰も見ることも丹精込めて菊の花育てることはありません。
着物の柄にも着物の菊花柄があり、振袖など成人の日にはその柄が目に入ると思います。

お正月には、松・千両と菊の花を飾り、端午の節句、お月見、七五三・・・季節の折々にも、「菊を活けるといい子に育つ」「菊を飾ると福が来る」 とされてきました。

冠婚葬祭両方に使うのは、位の高い花であるからこそで天皇家の家紋も菊の御紋です。
この国で最も高貴な花。それが菊です。だからこそ 「日本国の花」 になっているのです。

秋に咲く花であるが、短日性植物で、電照などを用いた作型の分化により、周年供給されている電照菊。
食用にする食用菊。鑑賞園芸的には和菊、生産園芸的には洋菊が中心に栽培されている。
また、切花としては温室での電照栽培で周年出荷されている。バラ、カーネーションとともに生産高の多い花卉となっている。

日本では、薬草や観賞用植物として平安時代より用いられ、宮中では菊の節句とも呼ばれる重陽の節句(旧暦9月9日)が明治時代まで行われ、現在でも皇室園遊会(観菊御宴)として行われている。
日本で菊の栽培が盛んになったのは、栽培のプロセスが冬に芽をとり、春に植え、夏に成長させ、秋に観賞するといった具合で、イネの栽培と類似していることが影響しているとの説がある。
現在では各地に愛好会ができる一方で、秋にはそれらが主催の品評会が開かれている。

日本にも350種ほど野菊が自生しており、ヨモギなどは食用とされる。

菊の文字は、日本書紀において菊理媛神(くくりひめのかみ)と神名の一部に現れる。
黄泉を訪問したイザナギ(伊奘諾尊)がイザナミの変わり果てた姿を見て逃げ出し、黄泉比良坂で生者(イザナギ)と死者(イザナミ)の言葉を取り継ぐ場面で伊奘諾尊と菊理媛神が登場する。

原産地 中国、日本
花の色 黄,紫紅,赤,桃,白等多彩な色があります。
花言葉 「私を信じて下さい」「女性的な愛情」「清浄」「高貴」「高潔」「高尚」「貞操」
「真の愛」「破れた恋」「生命力」
黄・・・「わずかな愛」「失意」「破れた恋」
紫紅・・・「愛」「恋の勝利」
赤・・・「愛」「私は愛します」「真の愛」
桃・・・「甘い夢」
白・・・「真実」「誠実」「慕う」
スプレーギク・・・「私はあなたを愛する」
誕生花 12月3日…菊
【白】
9月9日、【紅色】10月1日【スプレーギク】10月20日、【黄色】11月3日
【小菊】 1月5日、8月6日、【蛇の目菊】、10月10日、【東雲菊】11月22日
シンボル
自治体
横浜市栄区
 
品種 特徴
大菊
(一輪菊)  
花の直径は20センチメートル前後。一枝に対し一輪だけ残して周りのつぼみを摘蕾する。
「三本仕立て」、「ダルマづくり」「福助づくり」などにして楽しむ。
厚物:多数の花弁が中心に向かってこんもりと盛り上がったもの。
花弁が起伏がなく整然と並んだものが良い。
厚走り:厚物の花弁の下に長い花弁が走るように垂れさがったもの。
管物:花弁が管状になり、直線的に放射状にのびる。外側の花弁はしだれて先が丸まっている(玉巻という)。管弁の太さで、太管、細管、針管に区分される。
一文字:「御紋章菊」ともいう。その名の通り、天皇の「菊のご紋」のように、平たい花弁が一重で並ぶ。花弁の数は14から16枚程になるが、16枚が理想とされる。
大つかみ:花の上部が手でつかんだように見える。走り弁が下部につく。
中菊 「仏花」などに使用される一般的な実用花や、洋菊(ポットマム)などが含まれる。 ほか、江戸時代から続く「古典菊」もこの区分に入れられる。
小菊  花の直径が1センチメートルから3センチメートル。つぼみは摘蕾(てきらい)しない 「懸崖仕立て」や「菊人形」などにする。
スプレー菊 花の直径が6センチメートルから3センチメートルくらい。つぼみは摘蕾(てきらい)しない。 ハウス栽培切り花として生産され、「仏花」などの用途で周年供給される。 スプレイー(Spray)とは先が分かれた枝との意味で、小枝の先に多数の花を付ける。 
クッションマム
(ポットマム)
いわゆる西洋キクで、鉢植えで秋頃に出回る。「矮化剤」で成長が抑制され、背丈がそろえられている普及したのは1950年代にアメリカのヨーダーブラザーズによって発売され1968年に日本国内でも販売開始された。しかし、1970年後半以降より販売数の減少されたが1990年頃に入って新しいパテントが普及され麒麟麦酒の子会社でキリンマムが発売され各種苗会社では現在も需要が多い。 
古典菊 嵯峨菊、伊勢菊、美濃菊、肥後菊、江戸菊等がある 
食用 花を食用にするもので、刺身のつまとして見かけることも多い。花びらのみを食用とする。
独特の甘みがあり、茹でてお浸しにしたり、酢の物や胡桃合え、天ぷらや吸い物に用いられる。
また、干した加工品「のし菊」が作られる。旬は秋。
主な品種に「松波」「安房宮」などがある。ほかに桃紫色の花を咲かせる「延命楽」(通称「もってのほか」)がある。山形県内各地、青森県八戸市など東北地方、新潟県の中越から下越などで栽培されている。
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栽培方法
菊はキク科の宿根草で、関東以西では露地で越冬できるほど丈夫です。 趣味栽培のほとんどは秋咲きで、品種によって多少違いますが日長が13時間以下になると花芽分化し、12~15日後に蕾が見え、 それから50日位で満開になります。

【みずやりと肥料】
菊は弱酸性~中性で肥沃な、排水・通気が良く、水保ち・肥料保ちの良い土で良く育ちます。
しかし、天然にこれだけ沢山の条件を備えた土はないので調合しなければなりませんが、菊の出来は土で決まると言っても過言ではありません。
腐葉土40,牛ふん堆肥10,赤玉土30,発酵燐酸10,くん炭10を良く混ぜ合わせ湿らせて10日以上置いてなじませ水はたっぷりかけ、表面の土が乾いて白っぽくなるまで待って次の水をやるのがコツで、少しずつ何回もやったり、湿っているのに水をやるのは根ぐされのもとです。

8月末までは水をひかえて乾き気味に育て、9月に入ったらたっぷりかけるようにします。
花が7分咲きになると吸水量が減ってきますので 以降は水をひかえた方が花型が良く、花保ちも良くなります。

【植え付け・植え替え・種まき】
挿し穂は、開いた葉を4枚つけて芯芽を切り、一番下の葉を切って写真のような手順で水揚げしダンゴ挿しにします。
晴れた日の夕方、底につくように挿して、ジョロでたっぷり水をかけたら、その後10日位、水をかけないのがコツです。
根が2cm位になった頃が鉢上げ適期ですが、シフイーポット挿しは根がポットの外に沢山出てきてからの方が良く育ちます。

鉢上げ後10日位たって苗が十分活着してから最初の乾燥肥料を5号鉢に小サジ2杯やり、8月15日頃までは乾燥肥料の追肥主体で育て、 8月下旬から9月上旬に液肥をどんどんやると巨大輪になります。
9月中旬からはほとんどNのない、PK液肥で調整しますが蕾の甘皮が破れる頃と、花弁が3本位倒れた開化はじめの頃に、花肥用液肥を与えると花を大きくする効果が大です。

【管理場所・日当たり】
いろいろな害虫がいますが大輪が弱く、小輪は丈夫で中輪はその中間です。
いずれの場合も、発生してからの薬剤散布では不十分ですので、日光に良く当て風通しを良くし、チッソ過剰にしないよう元気に育てて予防防除につとめます。
  菊花展・盆養(盆養菊)の豆知識
盆養とは、古来鉢植えを「盆養(ぼんよう)」と呼びました。植物を栽培または展示するために植木鉢を用い、植物の地下部を保護し安定させるための方法です。植木鉢は園芸店やホームセンターなどで購入できるほかに、条件を満たす容器を転用することで植木鉢として利用する場合があります。
菊づくりを趣味にする愛好家が、その腕を競うコンテストで秋に全国の公園や植物園、神社、あるいは町内の神社や公民館などでも開催されます。
菊の歴史は古く奈良時代末期~平安時代初期に入って中国から導入されたと言われています。中国思想の影響をで【古来中国では菊は不老長寿の妙薬として珍重され、旧暦9月9日「重陽の節句」には菊の花を浸した「菊酒」を飲み交わし、長寿を祝ったと伝えられています。】この故事にならい長寿を願う行事として平安時代には宮中行事となり、「菊酒」を飲み交わし、菊を歌った和歌を競い、また現在で言う菊花展のような品評会を開き、菊の美しさを競わせたといいます。
江戸時代になり一般大衆に栽培が広がると、品種改良や栽培技術が向上して多数の品種が生み出され、庶民の間でも「菊合わせ」と呼ばれる新花の品評も行なわれたそうです。
昭和24年、観菊会(菊花展)を新宿御苑で一般に公開しました。
昭和30年代からの高度成長期には、趣味の一環として菊を作ってみようという人が増え、栽培が盛んになり菊の鑑賞を楽しむことも流行にもなりました。そのため、昭和50年頃には各市町村が競うかのように菊花展を開催し、菊の栽培が全国へと広がっていきました。
仕立て方法
盆用三本立
盆用七本立
盆養=鉢植えです。三本立は「天地人」があり、後ろの一輪が「天」で一番高く、前の花は高い方を「地」、低い方を「人」と呼び、高さを少しずつずらしながら咲かせるもので、大菊の仕立て方のうち最も一般的です。
七本立は一本の苗を二回摘芯して七本の枝を伸ばし、中央の花を高く、外側の花が低くなるように仕立てます。
 福助
三本立ダルマ
手頃の大きさで菊の豪華さが楽しめる仕立て方です。
挿し芽は梅雨時~夏に行い、一本で仕立てると福助作りになり、三本で仕立てると三本立ダルマになります。 
 懸崖(けんがい) 形によって「前垂型」と「静岡型」があります。
前年夏に挿し芽した苗を誘引、摘芯を繰り返して育てます。
一度開花した株は仕立て直すことはせず、毎年苗から形を作ります。 
 小菊盆栽 専用の小菊品種を用い、一年以上かけて仕立てます。
盆栽作りと菊作りとをミックスしたような醍醐味があります。
一般的な盆栽と違い、一度咲いた株はその年限りで毎年新しく育てます。 
 ドーム菊 小菊品種をクッション型に仕立てます。ざる菊と呼ばれることもあります。 
 千輪仕立  一株から何百輪も大輪の花を同時に咲かせ、全体の形は半球状のお椀型に整えます。
系統・花形(大まかに大菊と古典菊に分けられます) 
大菊 厚物厚走り 厚物は四方から多数の花弁が重なり、こんもりと盛り上がった球状をしてます。
厚走りは厚物の下部から長い花弁が四方に勢いよく走り出たものを指します。 
管物 管状の花弁からなり、短い花弁は放射状に花芯を囲み、外周には長い花弁が垂れています。
花弁の太さによって、太管・間管・細管・針管に分けられます。 
掴み 管弁で外周下部のものが力強く走り、中列の花弁が物を掴むように抱え込んでいて、外と内との花弁の形が面白い、豪壮なな花形です。 
一文字 大輪で14~16弁の舟底型の幅広い一重の平弁です。 
古典菊:菊の中でも、とりわけ古くから育成された品種群です。
 ここでは古典三菊と呼ばれる嵯峨菊、肥後菊、伊勢菊について説明します。 
古典菊 嵯峨菊  花弁が細く、刷毛のように直立するのが特徴です。
平安時代から京都の大覚寺に伝わるものが唯一とされていおり、明治になるまで門外不出とされていました。 
肥後菊 江戸時代花菖蒲などと共に肥後藩主が文化政策の一つとして、栽培を奨励した事に始まります。
一重咲でシンプルな花姿が特徴です。 
伊勢菊 花弁が長く縮れて垂れ下がるのが特徴で、伊勢で改良された品種群です。 
     
The bits of knowledge of a chrysanthemum
菊のまめ知識

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