花のまめ知識(花菖蒲:Iris)
花の形状に関する用語を紹介します。
  芯(しん)  雌蕊のことです
 鉾(ほこ)  内花被のことです。三英の花形で、花の中心で垂れず立ち上がる3枚の小さな花弁
  旗弁(はたべん)  雄蕊が変化して、大きな花弁にまでならないまでも、小型の花弁に似た形状にまで変化するもの
 三英(さんえい)  大きな花弁が三枚
 六英(ろくえい)  大きな花弁が六枚
 八重(やえ)  おしべなどが弁化して、花弁が9枚程度になり重なっている
 平咲き(ひらざき)  花弁が水平に広がり、あまり垂れないもの
 椀咲き(わんざき)  椀を伏せたような花形に咲いています
 垂咲き(たれざき)  伊勢系によく見られ、花弁がかなり垂れ下がっています
 深咲き(ふかざき)  垂咲きと同じ意味ですが、垂咲きよりもどっしりと垂れています
 受咲き(うけざき)  平咲きの花が水平以上に花弁が上に向かって伸びています
 台咲き(だいざき)  雌しべが弁化して花の上にまた花があるような感じで咲いています
 多弁花(たべんか)  八重の内に入るが、花弁だけでなく雌しべも本数多く上がっています
 正花(せいか)  熊本花菖蒲と肥後系に使われる表現で、本花(ほんか)とも言います。花容が整然と整っており、花弁がよれたり、波打つなどの癖がなく、雄雌の蕊も整っています
 蜘蛛手(くもで)  蕊片の先の毛羽立ったような細かな切れ込みがあり。伊勢系独特の特徴の一つです
 花径(かけい)  花の直径、大きさのことです。小輪・花径が10cm前後まで  中輪・花径が15cm前後まで 大輪・花径が18cm前後まで  巨大輪(極大輪)・花径が20cm前後またはそれ以上になるもの
 花色砂子(すなご)  砂子絞りとも言い、花弁にひじょうに細かな点絞りが密に入っています
 花色無地(むじ)  花弁の色彩が、黄色の目はのぞいて一色のみで複数の色彩を含まないもの
                                                             
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アヤメ科で花の形が似た「ノハナショウブ」・「アヤメ」・「カキツバタ」の違いを、紹介します。
 花 菖 蒲  あ や め  かきつばた しょうぶ(サトイモ科) 
 開花前後湿地,冬乾地  乾燥地  湿地又は浅水地 湿地 
 5月下旬~6月  5月上中旬  5月中下旬

 5月中下旬

 幅中  幅狭い  幅広,黄色味 幅中 
白 紫 青 紫 黄 赤 紫等  紫  紫 白 絞り 緑 
 大輪咲き  小輪咲き  中輪咲き  
水辺に生える多年草・・花は赤紫色・ガクに網目状の筋はない・葉の幅はやや広く・中央の脈(中助)が固い・花柄は棒状
(花びらのつけ根は、黄色く色づいています)
 
水はけの良い原野に生える多年草・花は青紫色・ガクに網目状の青い筋がある・葉の幅は狭い・中央の脈は目立たない・花柄は管状 湿地に群生し、紫色の花を付け、内花被片が細く直立し,外花被片(前面に垂れ下がった花びら)の中央部に白ないし淡黄色の斑紋があることなどを特徴とする。(白くスッキリとした線が目印) 花は殆ど目立たないが主脈ははっきりしている。独特の芳香があり、端午の節句の菖蒲湯に使われる。



 花菖蒲アヤメ科ノハナショウブ属・・・花期6月 草 丈・・・20cm~1m程度 

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ご案内します
 
花菖蒲は
原産地は日本。元は日本の湿原に自生する「ノハナショウブ」を栽培改良した園芸品種(約500品種)です。
花色は紫(濃淡)、白、複色
花菖蒲を分類すると
江戸時代中期以降に多くの品種がつくられるようになった。
大正時代頃までは江戸花菖蒲しか一般には栽培されていなかったので、
単に「花菖蒲」で通っていたのですが、昭和に入り熊本花菖蒲が普及したため、
はじめて「東京種」、「熊本種」と区分けされたのが系統の始まりです。
その後「伊勢系」、「外国系」、「長井古種」「種間交配種」などが新たに加わりました。

江戸郊外掘切(現在の江戸川区堀切)で品種改良したのが「江戸系」、
「江戸系」を改良し、花弁の幅を広くした「肥後系」・花弁が垂れ下がる「伊勢系」の
三系統に分かれます。
また明治以降米国に伝えられてそこで改良されたものが米国系としてあります。
 花菖蒲の花言葉
「うれしい知らせ」「優しさ」「伝言」「心意気」「優しい心」「優雅」「あなたを信じる」

もし菖蒲のの夢を見たら…
  育てる時期です。恋も自分も育てる気持ちがあれば順調に育つ兆しです。


神奈川県内では菖蒲をシンボルフラワーにしている自治体はございません。
近郊では東京都渋谷区と葛飾区がシンボルフラワーとしております。


このページから花菖蒲の名所に向かう場合は
左記のボタン「花種毎の花の名所」又は花菖蒲の画像よりご覧ください。
 
花菖蒲を分類すると、次のようになります。
(系統のロゴをクリックすると系統別の品種のページへご案内いたします。)
江戸系 株姿が整ったすっきりと粋な品種が多く肥後系の親となったように遺伝的には最も広くさまざまな要素を含んでおり花菖蒲の中核をなす系統です。歴史的な名品が多く現存します。
伊勢系 伊勢系の起源ははっきりとしませんが江戸系のみで改良されたとは思えない性質を持っています。垂れ咲で柔らかな色合いに特徴があり繊細で女性的なイメージです。
肥後系 鉢植えで育て座敷に並べ1輪ごとの美しさを観賞するために江戸系から改良されたものです。輪が大きく堂々としているのが特徴,ボリュームがあり初心者に人気があります。
野生種  花茎の高さは40cmから100cmになり、は剣形で全縁。花期は6月から7月で、赤紫色の花びらの基部に黄色のすじが入るのが特徴(ノハナショウブの特徴)。あやめには網目模様が入り、カキツバタ、には白色から淡黄色のすじが入る。
大船系  明治の末から昭和初めにかけて、大船の地で改良された独自の系統です。大船で作出した花菖蒲は全て江戸系で、こんにち80品種ほどが残り、大船植物園に保存植栽され「大船系」と呼ばれている。しかし、一般にはこの大船系品種は普及しておらず、「揚羽」「荒磯」「無双」などの品種がわずかに普及しているのみである。

上記以外に外国種・その他
   
熊本花菖蒲 江戸時代の末期に江戸の旗本松平菖翁が熊本の細川斎護公に花菖蒲を分与し、以降藩士の間で改良が進められて来た系統。堂々とした豪華かつ品格の高い花容が特徴。熊本以外で一般に改良された品種も熊本花菖蒲と呼ばれる 
長井古種 山形県長井市のあやめ公園に保存される、江戸古花よりも更に古い時代の花菖蒲の姿を伝えている系統。しかし、記録文献がないので、本当に古い時代より存在した花かどうかは不明。昭和37年に日本花菖蒲協会の旅行会で山形県長井市のあやめ公園を訪れ、他所には無い長井独特の花であるとして、「長井古種」と命名、認定した。花形はノハナショウブに近い、単純な小輪の三英花が多い。
長井系 長井古種をもとに、各地で改良された系統。長井古種と見た目は変わらない品種もあるが、「古種」とするのはどうかという判断から、こう位置付ける。
古花 江戸時代から大正末期頃までに作出された古い時代の品種を古花とする。江戸、熊本、伊勢の品種に古花が存在する。江戸時代の後期に作出されたと考えられる文化財的な品種も多い、品種保存の対象である。
米国系  名前の通り、米国にて改良された系統。
種間交配種  花菖蒲とキショウブ、カキツバタとの人工交配種。
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