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シャクヤク(芍薬)はボタン科の多年草です。原産地は、中国北部からシベリア東南部、朝鮮半島に分布するボタン科の多年草です。中国では紀元前から薬草として栽培されていたようですが、その後、観賞用として栽培されるようになりました。我が国には奈良時代に薬用として渡来しましたが、観賞用としても栽培され、江戸中期には多くの栽培品種が育成されていたと言い伝えられています。また、世界各地でも育種が行われ、品種は極めてたくさんあります。明治の末から昭和の初めにかけて、大船の地に神奈川県農事試験場で品種改良が行われ、数多くの品種が育成され、現在大船系としてフラワーセンター大船植物園しゃくやく園で栽培しています。このフラワーセンター大船植物園しゃくやく園では、寒川町の生産者大谷応雄氏が育成した大谷系品種のほかフランスやイギリスで育成された品種、近年アメリカで他のボタン属との種間交配によって育成された品種も栽培しています。花の見頃は5月上旬から中旬で、約200品種2000株を植栽しています。
シャクヤクの根は、細長いつむ形をしていて肥大し、茎は数本が群れ立って、草丈は60cmほどになります。葉は、小葉で楕円形で茎の基部の葉は3方に分かれています。 花時は初夏、5〜6月に大型の美しい花を1個つけます。花色は紅、桃、紫紅、白、黄などです。花形の変化はとても多彩で、一重、八重、半八重などあり、その形も、金しべ咲き、おきな咲き、てまり咲き、バラ咲きなど多数あります。果実は、袋果で秋に熟して裂けて、球形の種子を播きます。 美人の形容に「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という例えがありますが、ボタン(牡丹)とシャクヤク(芍薬)は、漠然とみると非常によく似ていますが、違いはいろいろとありますが大きな違いは、ボタンは「木」で、シャクヤクは「草」です。 |
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