睡蓮の豆知識
 睡蓮の豆知識・スイレンの豆知識
スイレン属(属名はNymphaea)は、スイレン科の属の一つで、水生多年草です。
睡蓮はヒツジグサの漢名であるが、一般にスイレン属の水生植物の総称として用いられています。
日本にはヒツジグサとその変種しか自生しないが、世界には熱帯から温帯にかけて約50種があり、その中には観賞用に栽培されるものも多く、また、交配によって非常に多数の園芸品がつくられています。
すべて太い根茎をもつ水生多年草で長い柄のある葉を出し、葉身は水面、またはやや上で開きやや厚く、上面は光沢があり、裏面はしばしば紅紫色を帯び、円形ないし卵形で基部はふつう深い矢尻形、時に楯状。
花は長い花柄の先に単生し、水面、またはそれより上で開き、花径は種類により20〜30p、昼咲き種と夜咲き種があり、花色はさまざまで、萼(がく)片四枚、花弁、雄しべ、雌しべともに多数あります。
白い花を午後、未の刻ごろに咲かせることからその名が付いたと言われています。
ヒツジグサは日本全国の池・沼に広く分布しているほか、海外からの移入種や品種改良された観賞用の種を栽培・展示する施設もあります。
ヒツジグサ(未草)は、スイレン科スイレン属の水生多年草です。
地下茎から茎を伸ばし、水面に葉と花を1つ浮かべる。花の大きさは3〜4cm、萼片が4枚、花弁が10枚ほどの白い花を咲かせます。花期は6月〜11月。
未の刻(午後2時)頃に花を咲かせることから、ヒツジグサと名付けられたといわれるが、実際は朝から夕方まで花を咲かせます。
スイレンは大きく分けて耐寒性の温帯スイレンと熱帯性スイレンの2品種に分けられます。
温帯水連は、ヨーロッパを原産とするセイヨウスイレン(Nymphaea alba)などを品種改良して作られ、寒さに強い多年草の園芸品種です。
初夏から秋にかけ、水面に広がる葉の隙間から白や赤、ピンクなどの花を咲かせ、人々を楽しませています。
自宅で栽培するにはとってもきれいでよいのでしょうが、野生化して困ることも起きているようで、春早くに発芽し生長するため、水面全体を覆い尽くすほどに繁茂し、それによって在来の水生植物が光合成を行えなくなり、水生生物が生息しづらい酸素の少ない状態をつくってしまっています。
国内各地で繁殖する「外来種」を駆除する動きが広がっているようで、外来種は国内の希少な動植物の生態系を乱すことがわかってきたようですが、繁殖力が強く根絶は難しいようです。
熱帯スイレンとは、いわゆる熱帯地域、亜熱帯地域に自生する原種スイレンや、その原種スイレンの交配品種(園芸種)のことで、寒さに弱く、日本のように四季(寒季)のある地域で栽培する場合、寒季に高水温を保つことが必要です。
熱帯スイレンは花茎を水面より上に伸ばして大きな花を咲かせ、花色は温帯スイレンにはない青や紫色があり、多彩で、エキゾチックな雰囲気があります。
また、熱帯スイレンには昼咲きと夜咲きがあります。
温帯スイレンの基本情報 熱帯スイレンの基本情報
学名:Nymphaea
和名:スイレン(睡蓮)
その他の名前:耐寒性スイレン、温帯性スイレン
科名 / 属名:スイレン科 / スイレン属
分類:夏緑性多年草
原産地:日本・北半球の温帯各地
学名:Nymphaea
和名:スイレン(睡蓮)
その他の名前:熱帯性スイレン
科名 / 属名:スイレン科 / スイレン属
分類:夏緑性多年草(浮葉植物)
原産地:アフリカ〜熱帯アジア
特徴
水中の地下茎から長い茎を伸ばし、水面に葉や花を浮かべます。花は整った形で優雅な雰囲気があります。葉は葉柄部分に強い切れ込みが入ります。葉色は緑が普通ですが、濃赤紫の斑点が入ったり、濃赤紫色の葉だったりと様々です。一般的なスイレンは葉が大きくなりやすく池や大きな水鉢に向いています。花は豪華ですが花つきはやや良くないです。家庭用の小さな睡蓮鉢などでは矮性種のヒメスイレンの方が適しています。花は小さいですが葉も小さく育てやすいです。
特徴
水中の地下茎から長い茎を伸ばし水面に葉を浮かべますが、温帯のスイレンとは異なり花は水面よりやや立ち上がった位置で咲きます。花色が豊富で咲き方も豪華なものが多くよく目立ちます。花に香りのあるものや夜咲き種もあります。葉は葉柄部分に強い切れ込みが入ります。葉が赤みを帯びる品種が多いです。温帯スイレンよりも花つきに優れており、適した環境なら次々と花を咲かせてくれます.
園芸分類 水生植物 園芸分類 水生植物
形態 多年草 形態 多年草
原産地 世界の温帯域 原産地 主に熱帯アフリカ。南米、オーストラリア、熱帯アジアなどの熱帯地域にも分布
草丈/樹高 背丈10〜30cm 横幅20〜120cm 草丈/樹高 背丈10〜50cm 横幅30〜120cm
開花期 5月中旬〜10月 開花期 7月〜10月中旬
花色 白,赤,ピンク,黄,複色 花色 白,赤,ピンク,黄,青,紫,複色
耐寒性 強い 耐寒性 弱い
耐暑性 普通 耐暑性 強い
特性・用途 開花期が長い,落葉性 特性・用途 開花期が長い,香りがある
アーカンシェル(Nymphaea ‘Arc-En-Ciel’)

葉に白やピンク色のさまざまな斑が入る。花弁は細く、花色は淡桃色。開花2日目には花色がより薄くなる。
ピンク・パール(Nymphaea ‘Pink Pearl’)

昼咲き性。中輪で、淡いピンク色の花がよく咲く。花つきがよく、美しい。
ジェイムズ・ブライドン(Nymphaea ‘James Brydon’)

花弁の幅が広く、枚数が多い。濃いピンク色の花。比較的小型で家庭向きであるが、暑さにやや弱く、夏の高温期には開花が止まる。
アルバート・グリーンバーグ(Nymphaea ‘Albert Greenberg’)

昼咲き性。サンセットカラーと呼ばれるグループの代表的な品種。花弁の中心がオレンジ色で、外に向かうにしたがって色濃くなる。
オールモスト・ブラック(Nymphaea ‘Almost Black’)

温帯スイレンと熱帯スイレンの交配種。花の中心が赤黒く、黒いスイレンと呼ばれる。
ティナ(Nymphaea ‘Tina’)

昼咲き性。明るい青紫色の花が咲くが、季節や栽培条件によって花色は変化しやすい。花つきがよく、秋遅くまで咲き続ける。ムカゴができやすく、繁殖力がおう盛。
ダーウィン(Nymphaea ‘Darwin’)
ほんのりとピンク色の花が包み込むように咲く。花弁の元に近くなるほど赤みが強く、ぼかし花色が美しい。花弁数が多いのも特徴。
レッド・フレア(Nymphaea ‘Red Flare’)

夜咲き種。濃いブロンズ色の葉と濃赤色の大輪の花。花つきが非常によいうえ、夜8時ごろから翌朝10時くらいまで長く咲く。
ピーチ・グロウ(Nymphaea ‘Peach Glow’)

花色は淡いクリームにほんのりとピンク色がのり、モモのよう。花弁が多く、豪華な印象。次々と開花するが、真夏は花弁が傷みやすい。
スイレン・コロラタ(Nymphaea colorata)

アフリカ・タンザニア原産の小型原種。昼咲き性。美しい青色の花を多数咲かせる。熱帯スイレンのなかでは耐寒性が比較的強く、家庭でも育てやすい。
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